マイボーム腺炎とは
睫毛の生え際には”マイボーム腺”という器官(瞼の裏側の縁沿いにある小さな複数の穴)があり、眼球が乾燥しないように油分を出して、眼球の表面をコーティングする役割を持っています。マイボーム腺が細菌感染して炎症を起こすものは”麦粒腫”(人で言うところの”ものもらい”ですが、犬同士や人に伝染ることはありません。)で、マイボーム腺に分泌物が詰まって炎症を起こすものが”霰粒腫”で、この2つを総称してマイボーム腺炎と呼びます。片眼だけだったり、両眼になったりと症状はさまざまです。治っても同じところに再発したり、新たにできやすかったりするのは体質も関係していますが、その都度で治すことが可能な病気です。
マイボーム腺炎の症状
- 瞼にニキビやイボのようなものができる
- 瞼の周辺が赤く腫れる
- 目を開けづらそうにする
- 全く気にしない子もいるが、かゆみや痛みが出ることもある
- 涙や目ヤニが増える
- ドライアイになる
マイボーム腺炎の原因
- 麦粒腫
細菌感染が原因となっています。どんな子でもなりますが、免疫力が弱っているときやアレルギー体質の子に多い傾向があります。
- 霰粒腫
本来であればスムーズに出ていくはずの油分がマイボーム腺に詰まってしまい、そこで異物(皮脂の塊)となって炎症が起きます。なぜ詰まるのか原因はよく分かっていません。
マイボーム腺炎の予防/治療
マイボーム腺炎の予防
予防法は特にありませんが、目の周りを常に清潔にしておくことは病気関係なく大事なことです。ゴシゴシと強く拭く必要はありませんが、カピカピになってしまった涙ヤケや目ヤニは、目元を1〜3分ほど蒸しタオルで覆ってふやかしたり、濡れたティッシュなどで無理のない程度に拭き取ってあげましょう。
マイボーム腺炎の治療
内科治療
- 目薬
- 内服薬
- 眼軟膏(塗り薬)
炎症を引かせる薬や細菌を減らす薬です。目薬や眼軟膏を嫌がってできない子は内服薬での治療一択になります。病院によっては、約2週間効く注射タイプの抗生剤を取り扱っているところもありますので、獣医さんに相談してみても良いかもしれません。
外科治療
内科治療の効果があまり無かったり、治っても同じところに再発する、どんどんひどくなって愛犬が気にするなどの症状があれば、手術で切開して中の分泌物を取り除きます。
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