【犬の僧帽弁閉鎖不全】症状から原因・予防・治療法までご紹介

犬の僧帽弁閉鎖不全犬の病気

僧帽弁閉鎖不全とは

心臓はポンプの役割をしていて、収縮と拡張を繰り返し、ドクンと動く度に血液が全身を巡ります。そして心臓には4つの部屋と名前があります。

  • 全身を巡って仕事を終えた古い血液が帰ってくる部屋が右心房うしんぼう
  • 肺に血液を送るための部屋が右心室うしんしつ
  • 肺で酸素を取り込んだきれいな血液がやってくる部屋が左心房さしんぼう
  • 左心房からやってきた血液を全身に送るための部屋が左心室さしんしつ

肺で酸素を取り込んできれいになった血液は、心臓の左心房から左心室へ移動し、全身を巡っていきます。この左心房と左心室の間には僧帽弁そうぼうべんという名前の両開き扉のような弁があります。僧帽弁の役割は、左心室へ送られた血液が左心房へ逆流するのを防ぐことです。正常であれば心臓が拡張したときに僧帽弁が開き、収縮したときに閉じるようになっているのですが、僧帽弁がぴったり閉じずに血液が逆流してしまうのが僧帽弁閉鎖不全そうぼうべんへいさふぜんです

僧帽弁閉鎖不全の症状

初期

  • わずかな心雑音
  • 激しい運動をしたときの咳

中期

  • 安静時の呼吸数が多い(1分間に約30回以下が正常で、50回を超えると危険
  • 疲れやすく、長時間の散歩が難しくなる
  • 運動後でもないのにずっと開口呼吸をしている
  • 何かの刺激がなくても咳が出る
  • チアノーゼ(唇、歯茎、舌といった粘膜が紫色になる)がみられることがある

末期

  • 失神する
  • 血混じりの鼻水が出る
  • 肺水腫を発症(苦しくて横になれず肩で呼吸をする=努力性呼吸

肺水腫は治療が遅れると命を落とすので迅速な対処が必要です。

僧帽弁閉鎖不全の原因

  • 僧帽弁そのものや腱索けんさく(僧帽弁と左心室を繋いでいる細い糸のような組織)が伸びたり切れたりしてしまう
  • 遺伝(キャバリアは遺伝的に僧帽弁閉鎖不全になりやすい)

僧帽弁閉鎖不全の予防/治療

僧帽弁閉鎖不全の予防

現在、この病気を予防することはできません。

僧帽弁閉鎖不全の治療

内科治療

血液の逆流や僧帽弁をどうにかするということではなく、心臓の負担を少しでも軽くしたり、病気の進行を遅らせるための薬を飲みます。重症度によって処方される薬の種類が変わってきます。

外科治療

心臓を一時的に止めておこなう大掛かりな手術なので、設備が整っている病院で行います。

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