【犬の停留精巣】症状から原因・予防・治療法までご紹介

犬の停留精巣犬の病気

停留精巣とは

本来、男の子が生後1ヶ月になる頃には、体内でつくられた精巣が鼠径管そけいかんという管を通って徐々に下へと降りてきて、陰嚢いんのう(精巣が入る袋)に収まるようになっています。しかし、生後1年近く経っても陰嚢に精巣が入っておらず、お腹の中か、鼠径部そけいぶ(足のつけ根)の皮膚の下に留まってしまっている状態停留精巣ていりゅうせいそうと言います。陰睾いんこう停留睾丸ていりゅうこうがんとも言われ、片方だけ降りてこない子と、両方とも降りてこない子の2パターンがあります。正常な位置にある精巣内の温度は体温より約3℃ほど低く、体内にある精巣は体温の影響で、精子をつくる機能がうまく働きません。そのため、両方の精巣が降りて来ていなければ繁殖能力はないと言えます。

停留精巣の症状

陰嚢に精巣が収まっていないという見た目の問題だけで、痛みなどの症状はありませんが、精巣が癌化すると、腫れ、違和感、痛みなどが出ることがあります。

精巣の癌化について

停留精巣は、正常な位置の精巣と比べて癌化する確率が上がります。詳しくは精巣腫瘍のページでお話するので、そちらも読んでみてください。

停留精巣の原因

遺伝が原因であると言われています。

停留精巣の予防/治療

停留精巣の予防

この病気の予防方法はありません。

停留精巣の治療

手術で精巣を取り除きます。

飼い始めた頃から去勢手術を考えていたのであれば、1歳になっても精巣が降りて来ないときは早めに手術をしたほうが良いとされています。鼠径部そけいぶだと皮膚を切って取り出すだけですが、お腹の中にあれば、通常の去勢手術とは異なり、開腹手術です。高齢になればばるほど麻酔のリスクは上がり、術後の回復が遅くなります。

停留精巣が100%癌化するかと言われればそんなことはありません。元気な体にメスをいれたくないという飼い主さんもいると思います。実際、私が働いている病院の患者さんにいました。その子の精巣は癌化してしまい、高齢での手術になり、同時期から心臓病も患っていた子でリスクもあったので「もっと若いうちにしてあげれば良かった」と飼い主さんは後悔していました。”癌化したらそのときはそのとき”と割り切れるかどうか、家族で相談してよく考えてみてください。

     

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