【犬のてんかん】症状から原因・予防・治療法までご紹介

犬のてんかん犬の病気

てんかんとは

”てんかん”は脳の病気です。痙攣けいれん”は体の筋肉が勝手に収縮する状態のことを指します。)年齢や性別に関係なく、どの犬種でも起こることがあります。通常であれば、発作は数十秒から数分(長くても5分程度)で収まります。

てんかんにおいて大事なこと

発作時は抱き上げたり、顔周りを触らない

名前を呼んだり声をかけると発作が落ち着くのが早くなると言われていますが、慌てて愛犬の顔を触ろうとして咬まれることもあります。無意識の発作時は咬む力がとても強く、飼い主さんが怪我をするので顔周りは絶対に触れないでください。

周囲の物を退ける

発作(特に激しい痙攣)を起こしたら、愛犬がケガをしないよう周囲の物を退けましょう。重くて動かすことができない家具の近くで起こした場合は、クッション性のある物を置いてガードすると安全です。

発作の様子を動画に撮る、時間を記録する(できれば発作後の様子も)

何度見ても慣れるものではなく、初めて発作を見る人は慌ててしまうと思いますが、発作の様子を動画に撮っておき、獣医さんに観せればスムーズに診察や検査に移ることができるので記録に残しておくのはとても大事です。飼い主さん自身も、いつどんなときに発作を起こすのか把握することで、発作による愛犬の精神的、肉体的ストレスを回避、軽減してあげられるかもしれません。

重積発作、群発発作が起こったときはすぐに病院へ

重積発作じゅうせきほっさ:前回の発作から意識が戻らないまま次の発作が起こる

緊急性の高い発作です。命に関わる恐れがあるので、時間帯を問わず病院へ行きましょう。

群発発作ぐんぱつほっさ:1日に2回以上の発作を起こすこと

発作が1日2回以上起きることを群発発作と言います。単発の発作であれば緊急性は低いですが、重積発作と同じで何度も発作が起こるのは異常なので病院で診てもらいましょう。

てんかんの症状

  • 突然倒れて体をのけ反らせたり、手足をぐーんと伸ばしたまま体が硬直する
  • 意識はあるが、ボーッとしてい
  • 手足をバタバタさせる、体の一部がピクピクと動く
  • 激しい痙攣けいれん

てんかん発作にはさまざまな種類があり、症状は個々で違います。痙攣の後に何事もなかったかのように動き出す子もいれば、しばらくボーッとしたりフラフラする子もいます。発作時には倒れたまま吠えたり、嘔吐、失禁することがあります。

発作の前兆はあったりなかったりですが、

  • 急によだれを流す
  • そわそわする
  • 大人しくなる
  • 何度もあくびをする(不安からくる)

などがあります。

てんかんの原因

  • 特発性てんかん(原因がはっきりと分からない)
  • 症候性てんかん(明らかに脳に異常が見られる)
    • 構造的:生まれつきの脳の奇形、脳腫瘍、事故や虐待といった外傷で負った脳の損傷によるもの
    • 代謝:代謝異常の病気によるもの
    • 感染:なんらかのウィルスが脳の中枢神経で脳炎を引き起こす
    • 免疫:自分の免疫が脳炎を引き起こす

てんかんの予防/治療

てんかんの予防

てんかんは予防ができません。すでにてんかんの診断を受けていて、”どういった状況で発作を起こすか”(来客があったとき、ストレスがかかったときなど)を分かっている子はその状況を避け、発作を起こさないようにすることができるかもしれません。(例:来客時には、家族の中で手が空いている人がいればその間は散歩に出る、来客の姿や声が届かない場所に移動させる。)

てんかんの治療

てんかんの発作を抑えるには内服薬での治療が必要です。飲まし始めて約2〜3週間後に”血中濃度”(血液中の薬の量)を測ります。てんかんの薬は脳に作用するので、血中濃度が高すぎると中毒症状のような副作用が出ることがあります。薬がちゃんと効いているか、体に悪影響がないかを調べるためにとても重要な検査です。てんかんの薬は何種類かあるので、飲んでいる薬が体に合っていないときは他の薬に変更になります。

     

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