【犬の緑内障】症状から原因・予防・治療法までご紹介

犬の緑内障犬の病気

緑内障とは

眼球内では房水ぼうすいという透明な液体が流れています。房水は角膜や水晶体などの血管がない組織に栄養を送る役割を持っていて、新しく作られると今までの分は排出され、量は常に一定を保っています。一般的には、何かが原因で房水がうまく排出されずにどんどん溜まっていき、眼球内の圧力(眼圧がんあつ)が上がってしまうことで視神経が影響を受けて眼の痛みや失明を引き起こすのが緑内障です。しかし、必ずしも眼圧が上がる=緑内障ではありません。

緑内障は柴犬、シーズー、アメリカン・コッカー・スパニエル、ビーグルなどによく見られます。先天性、原発性、続発性の3つに分けられ、さらに慢性と急性のタイプがあります。目の異常に気付いて病院に行ったときにはすでに失明していたということは少なくありません。特に急性の緑内障は緊急を要するので早期発見が鍵となります。緑内障は眼底検査、眼圧検査、エコー検査などで診断をします。

緑内障の症状

  • 左右で目の大きさが違う
  • 目を開けづらそうにしたり、しょぼしょぼさせている
  • 眼球が白く濁る
  • 白目の部分が充血している
  • 物にぶつかる
  • 目を気にして触る
  • 瞳孔が開いている
  • 元気、食欲がない

左右で目の大きさが違うのは、眼圧が上がって眼球が大きくなってしまっている状態です。牛のようにギョロッとした目に見えることから牛眼ぎゅうがんと呼びます。

緑内障の原因

先天性緑内障

房水が排出される出口の隅角ぐうかくという部分に生まれつき異常があります。犬では稀です。

原発性緑内障

他に原因となる病気がなく、遺伝の可能性が考えられています。両眼に発症することが多いです。

続発性緑内障

他の病気から発症するもので、ブドウ膜炎、水晶体脱臼、目の腫瘍などが原因に挙げられます。事故やケガをしたときの外傷でも起こることがあります。

緑内障の予防/治療

緑内障の予防

予防法は特にありませんが、日頃から眼の観察をしておくと異変があったときに気付きやすいと思います。

緑内障の治療

緑内障は完治が難しい病気です。急性であればいかに早く視神経へのダメージを減らすか、視力を温存するかが重要です。慢性の場合は眼の痛みを取り除く緩和ケアが必要になってきます。

内科治療

  • 点眼薬
  • 内服薬
  • 点滴

まずは眼圧を下げるために目薬を使いますが、あまり効果がない場合には内服薬や点滴で房水の排出を促進させたり、房水が作られるのを抑制する治療を行なうこともあります。

外科治療

  • 視力が残っている
    • レーザー治療(房水が作られるのを抑制する)
    • 房水が排出される路を新しく作る
    • 隅角を切り開いて房水の流れを良くする
  • 視力がない(失明している)
    • 眼球摘出
    • 義眼挿入

いずれも全身麻酔下の処置で、視力がある/ないで手術内容は大きく異なります。レーザー治療などは設備が整っていなければかかりつけ病院であってもできない可能性がありますので、主治医と相談の上で決めてください。

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