レッグ・ペルテスとは
レッグ・ペルテスは、レッグ・カルベ・ペルテスや大腿骨頭壊死症とも呼ばれています。太ももと骨盤を繋いでいる大腿骨頭への血液が不足して、骨頭が変形や壊死を起こしてしまう病気です。小型犬によく見られ、1歳未満で発症することが多いです。
骨頭は丸い形が正常ですが、血液が不足することで徐々に変形していびつな形になります。骨密度も低下していくので、骨頭の先端が骨折することもあります。症状が膝蓋骨脱臼と似ていて区別が難しいことがあるので、触診とレントゲン検査(初期ではレントゲンにはっきり写らないことがある)、場合によってはCTやMRIを撮ってから診断が下ります。
触診では
- 後ろ足を後ろに引くと痛がる
- 股関節を触ると痛がる
- 二本足で立たせたときに後ろ足を着きたがらない
など、膝蓋骨脱臼と区別するためにこういった症状が出るかどうかをチェックします。
壊死した骨頭は手術で取り除きますが、ごく稀に、取り除いた骨頭があった場所からいびつな骨が再生してしまい、再手術が必要になることがあります。また、反対側の足も同じようになることがあります。
レッグ・ペルテスの症状
- 後ろ足を痛がる(骨折していることもある)
- 後ろ足を地面につけなくなる
- スキップのような動きをする
- 痛い方の足の筋肉が痩せてくる
壊死した大腿骨頭で骨折が起きると、痛みで足を使わなくなります。そうなると筋肉量が減ってしまうので後ろ足が痩せていきます。
レッグ・ペルテスの原因
大腿骨頭への血流障害によって壊死が起きるのですが、なぜ血液がうまくいかなくなるか完全には解っていません。考えられているのは、骨頭にある血管が細かったり、血管が枝分かれしている場所があり、血液が途切れやすい構造だからだということです。
レッグ・ペルテスの予防/治療
レッグ・ペルテスの予防
身体の構造上の問題だと考えられているので、この病気を予防するのは難しいでしょう。
レッグ・ペルテスの治療
内科治療
痛みを和らげるために痛み止めが処方されることはありますが、レッグ・ペルテスそのものを治すことはできません。
外科治療
レッグ・ペルテスは、変形や壊死した骨頭を手術で切除しなければなりません。「そうしたら骨盤と大腿骨は離れたままになるのでは?」と考えてしまうと思いますが、犬は骨盤周辺の筋肉が発達している動物です。術後にしっかりとリハビリを行なえば、数か月かけて歩けるようになります。リハビリをしないと、手術をした足をあまり使わなくなる子がいます。せっかくの手術が台無しになってしまうので、獣医さんの指示の下、しっかりとリハビリに励みましょう。
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