【犬の精巣腫瘍】症状から原因・予防・治療法までご紹介

犬の精巣腫瘍犬の病気

精巣腫瘍とは

去勢手術をしていないオスの犬に気をつけたい病気です。腫瘍は良性と悪性(ガン)があります。精巣が、腹腔内ふくくうない(お腹の中)、鼠径部そけいぶ(足のつけ根)、正常な位置のどこにあっても腫瘍化する可能性があります。良性腫瘍の方が多いですが、精巣の位置によっては悪性腫瘍になる確率が高くなります。見た目だけでは良性か悪性かの判断は付かないので、病理検査(手術で取った精巣を検査機関に送って、病気の診断をする)をおこないます。

精巣腫瘍の症状

  • 鼠径部、正常な位置にある精巣が大きくなってきた

鼠径部や正常な位置の精巣は大きくなると発見しやすいです。それで言うと、腹腔内にある精巣は直接の目視での確認ができないため、他に何かの症状が出たり、レントゲン検査やエコー検査をしないと気付かないことがほとんどです。

  • 換毛期でもないのに毛が抜け落ちる
  • 雌性化しせいか(メスのような体になる)で、乳房が張ったり、乳汁にゅうじゅう(おっぱい)が出る
  • 貧血を起こす

精巣腫瘍が女性ホルモンを過剰に出してしまうことがあり、これをエストロゲン亢進性と言います。このエストロゲン亢進性の中でも一番怖いのは”汎血球減少症はんけっきゅうげんしょうしょう”で、血液中の白血球、赤血球、血小板のすべての数が減少するというものです。白血球は体外から入ってきた細菌やウィルスの排除、赤血球は酸素を運ぶ、血小板は血を止めるなどそれぞれに大事な役割があるため、これらすべてが減少してしまうと命に関わってきます。

精巣腫瘍の原因

精巣が残っている(去勢手術をしていない)

未去勢のオスすべてがなるわけではありませんが、腫瘍化は10歳前後での発生が多いです。

精巣腫瘍の予防/治療

精巣腫瘍の予防

去勢手術だけが唯一の予防法です。

精巣腫瘍の治療

内科治療

腫瘍が悪さをして炎症や痛みが出ているときは症状に合わせた薬が処方されます。手術も抗がん剤治療も考えていないという飼い主さんはもちろんいるので、そういう場合には内服薬のステロイド治療を始めることが多いです。

外科治療

摘出手術が第一の選択です。精巣腫瘍はあまり転移することはありませんが、念のために手術で取った精巣を病理検査に出して、良性か悪性かの結果を待ちます。悪性であった場合、その後は追加の検査で転移の確認や治療(抗がん剤や放射線治療)が必要になってきます。

     

     

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